滞納処分等を受ける人

振り込まれるはずの年金が…差し押さえ年間2万人の現実 朝日新聞
「2年前、市役所から1通の通知書が届いた。資産を差し押さえる可能性がある、と書かれていた。男性は月約5千円の介護保険料の支払いを1年近く滞納していた。「実際に差し押さえをする段階になれば、事前に役所から連絡があるだろう」。男性はそう考え、放置することにした。」
https://www.asahi.com/articles/ASNCC549VNBXUTFL00F.html?ref=livedoor

 上記の記事は有料記事なので途中までしか読めませんが、朝日新聞ですから、おそらく、役所は経済的な弱者にも情け容赦なく取り立てる、それでよいのかという論調が続くものと思われます。
 しかし、弁護士として滞納処分を受けた人の相談を受けていると、現実はちょっと違っていて、相談すべきときに相談せずに放置している、優先順位を取り違えているなど、滞納処分を受けた本人に大いに問題があると思われるケースが多いです(当たり前ですが)。

 税金、健康保険料、介護保険料などを滞納した場合に預貯金に対しなされる滞納処分は、必ず事前に役所から督促状等が届きます。朝日新聞の記事では「2年前に1通の通知書」とされていますが、通常、役所は何度も連絡をとろうとしています。役所としても、滞納されている税金等を納めてもらうことが目的ですし、担当者としても、手間がかかり、実際に回収できるかどうか、やってみなければ分からない滞納処分を進んでやりたいと考えているわけではありません。その時点で、役所の担当者に連絡を入れて、生活困窮の事情や、今後の支払方法等を相談すれば、滞納処分まで進まないことが通常です。
 ところが、督促状等を無視・放置する人が結構いるのです。
 そうなると、役所としても把握できている財産があれば滞納処分の手続を進めざるを得ません。
 滞納処分を受けて、慌てて役所に連絡を入れても、役所からすれば、何度も督促したのに連絡すらしてこなかった相手ですから、信用できるわけもなく、取り合ってもらえないことになります。
 で、弁護士会の法律相談などに来て、「いきなり滞納処分をするなんて酷い」「生活できない」などと役所に対する怒りを述べ立てる人が多いのです。詳細な経緯を聞くと、実は、何度も、役所から、督促状やら、ときには電話があったが、いろいろあって(これが問題なのですが)、そのまま放置していたという人が大半です。
 もちろん、本当に生活に困窮し滞納してしまい、督促状も来たものの、どう対応してよいか分からず、支払えないことを役所に相談することすら思いつかないという人もいるのですが、大抵の人は、基本的には支払を求める書面が来るだけの税金等の支払よりも、支払いを止めれば契約が失効してしまう生命保険料の支払や、以後、利用ができなくなるクレジットカードの引落などを優先させてしまっているのです。朝日新聞の記事の人も、「生命保険と傷害保険を解約し、それで当面の生活費をまかなうことにした」とあることから明らかなとおり、税金よりも、生命保険料、障害保険料の支払いを優先させています。

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